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相続登記を自分でやる7ステップ|費用・必要書類・申請の流れを徹底解説

相続・終活ナビ編集部 / 更新:2026-06-18
相続登記を自分でやる7ステップ|費用・必要書類・申請の流れを徹底解説
親の家を相続したけれど、登記の手続きを司法書士に頼むと数万円から十数万円かかる。これを自分でできないか、と思って調べている方は多いはずです。結論から言うと、相続の形がシンプルなら自分で十分できます。

私自身、公式情報を一次資料にあたって整理してきましたが、登録免許税や戸籍代といった実費は誰がやっても同じで、節約できるのは司法書士報酬の5万〜15万円ほど。ここをどう判断するかが分かれ目です。

この記事では、自分でやる場合の費用・必要書類・7ステップの流れを、記載例と失敗例つきで具体的にまとめました。2024年4月から始まった義務化の期限や罰則、つまずきやすい数次相続や特殊物件の扱いまで、まず全体像をつかんでから着手判断できるようにしています。

相続登記を自分でやる前に知っておくべき基礎知識

相続登記を自分でやってみたい!法務省が作った最新マニュアルを解説します
相続登記を自分でやってみたい!法務省が作った最新マニュアルを解説します

手を動かす前に、前提を3つだけ押さえます。所要時間と難易度、義務化のルール、そして自分でやれるラインの見極めです。ここを飛ばすと、途中で「やっぱり無理だった」と引き返すことになります。

相続登記を自分でやる前に知っておくべき基礎知識

相続登記とは?自分でやる場合の所要時間と難易度の早見表

相続登記とは、亡くなった方名義の不動産を、相続人の名義に変える登記のことです。専門知識がなくても自分で申請できます。ただし登録免許税や戸籍謄本などの実費は原則かかり、節約できるのは司法書士報酬の部分だけです。

自分でやる場合の難易度早見表
相続の形・物件数・相続人の人数で難易度が変わる
ケース難易度主な作業向き不向き
遺言あり・物件1件遺言書と戸籍少々で申請自分向き
法定相続分どおり・少人数低〜中戸籍収集と申請書作成自分向き
遺産分割協議あり・物件1〜2件協議書作成+全員の実印自分でも可
複数物件・遠方・相続人多数広域の戸籍と調整が膨大司法書士向き

作業時間は戸籍を集める期間に大きく左右されます。古い戸籍を遠方の役所から郵送で取り寄せると、それだけで数週間かかることも珍しくありません。

2024年4月から義務化|申請期限3年・過料10万円のペナルティ

ここは正直、知らずに放置している人が多い論点です。令和6年(2024年)4月1日から、相続で不動産を取得した人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務になりました。

正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料が課される可能性があります。さらに重要なのは、この義務が2024年4月1日より前に発生した相続にもさかのぼって適用される点です。

「昔相続したまま放置している土地」も対象になります。心当たりがあるなら、それこそ今動くべきです。

放置するとどうなる?売却不可・差押え・権利関係の複雑化リスク

過料だけが問題ではありません。名義が故人のままだと、その不動産は売却も担保設定もできません。買い手がついても登記を動かせないからです。

もっと厄介なのは時間の経過です。登記しないまま相続人の誰かが亡くなると、その人の相続人がさらに増える。いわゆる数次相続で、署名押印をもらう相手がねずみ算式に膨らみます。

私が調べていて一番こわいと感じたのはこの点です。今なら相続人3人で済む話が、10年放置すると十数人の協力が必要になる。早くやるほど簡単、が相続登記の鉄則です。

自分でできるケース・司法書士に任せるべきケースの判断基準

線引きはシンプルです。「相続人の数が少なく、揉めておらず、物件が近くにある」なら自分でやれます。逆にこのどれかが崩れると一気に難しくなります。

自分でやる/司法書士に任せるの判断基準
状況自分でやる司法書士に任せる
遺言があり物件1件
相続人が配偶者と子だけ
遺産分割で揉めている×
物件が複数・遠方にある
数次相続で相続人多数×
未登記建物・農地など特殊物件

私の意見をはっきり書くと、揉めている相続だけは自分でやらない方がいい。協議書に全員の実印が要るので、関係が壊れていると一歩も進みません。ここは費用より時間と精神的コストの問題です。

自分でやる場合の費用と司法書士に依頼した場合の比較

気になるお金の話です。自分でやる場合の費用は「登録免許税+実費」で、相続人数や転籍回数によって数千円から3万円以上まで幅があります。司法書士報酬がまるごと不要になるのが最大のメリットです。

自分でやる場合の費用と司法書士に依頼した場合の比較

登録免許税の計算方法と評価証明書を使った実例(端数処理つき)

登録免許税は、固定資産評価額の0.4%です。評価額は市区町村が出す固定資産評価証明書で確認します。

計算の実例を出します。評価額1,000万円の土地なら、1,000万円 × 0.4% = 4万円。これが納める税額です。

端数処理にコツがあります。課税標準額は1,000円未満を切り捨て、算出した税額は100円未満を切り捨てる。たとえば評価額が1,234,567円なら、1,234,000円に0.4%をかけて4,936円、100円未満を切り捨てて4,900円です。

実費の内訳と司法書士に依頼した場合との費用比較

前述のMeigi-henkouの整理によると、証明書代の単価は次のとおりです。これに登録免許税が乗ります。

自分でやる場合の実費内訳(証明書代)
通数は相続人数・転籍回数で変動
書類1通あたりの費用
戸籍謄本450円
除籍謄本・改製原戸籍750円
印鑑証明書200〜400円
登記事項証明書490〜600円

司法書士に依頼すると、これらの実費に加えて報酬が5万〜15万円ほど乗ります。自分でやって節約できるのは、まさにこの報酬部分です。

正直に言うと、報酬を払う価値があるケースもあります。戸籍を全国から集める手間や、補正のやり直しを考えると、複雑な相続では「時間をお金で買う」判断は十分合理的です。

登録免許税の免税措置が使える条件

見落とされがちな節税ポイントがあります。評価額100万円以下の土地は、2027年3月31日までの特例で登録免許税が免税になります。

対象は土地のみで、建物には使えません。山あいの安い土地や持分が細かい土地を相続したときに効いてきます。申請書に免税の根拠条文を記載する必要があるので、ここは法務局の相談で確認するのが確実です。

費用を抑える具体策(通数の最適化・無料相談窓口の活用)

実費を削る現実的な方法は3つです。

1つ目は戸籍の通数を増やしすぎないこと。後述する法定相続情報一覧図を1枚作れば、各窓口に戸籍の束を出さずに済み、結果的に取得通数を抑えられます。

2つ目は法務局の登記相談を使うこと。多くの法務局で無料の登記手続案内(予約制)があり、自分で作った申請書を事前に見てもらえます。補正での往復を防げるので、時間の節約効果が大きいです。

3つ目は自治体の補助金です。数は限られますが、相続登記の費用を補助する自治体があります。たとえば兵庫県尼崎市は、司法書士・弁護士に依頼した費用の3分の2(上限10万円)を補助します。条件は2024年4月1日以降の依頼で、登記完了後1年以内の申請です。

相続登記に使える自治体補助金の例
いずれも期間・条件あり。最新は各自治体の公式HPで要確認
自治体補助率上限額主な条件
兵庫県尼崎市対象経費の2/310万円専門家依頼・完了後1年以内に申請
北海道池田町対象経費の1/25万円令和7年4月〜令和9年3月の事業
群馬県千代田町対象経費の全額2万円自ら居住する場合など・利用1回限り
東京都(森林の相続登記)調査・書類作成費の全額100万円令和7年10月15日受付開始・登録免許税は対象外

注意したいのは、多くの補助金が「専門家に依頼した費用」を対象にしている点です。自分でやると報酬が発生しないので、補助の対象外になることがあります。自分でやる節約と補助金は、両取りできないケースがある、と覚えておいてください。

相続登記を自分でやる7ステップの全体像

ここからが実務です。全体を7つのステップに分けました。最初に地図を頭に入れると、いま自分がどこにいるか分からなくなる迷子状態を防げます。

相続登記を自分でやる7ステップの全体像

7ステップのロードマップ一覧と全体の流れ

相続登記を自分でやる7ステップ
STEPやることゴールの目安
1物件調査対象不動産を1件残らず洗い出せた
2相続人調査戸籍で相続人が全員確定した
3必要書類収集役所の書類がそろった
4書類作成遺産分割協議書と相続関係説明図ができた
5署名・実印押印相続人全員の押印と印鑑証明がそろった
6登記申請書の作成申請書と登録免許税の準備ができた
7法務局へ申請・完了確認登記識別情報通知を受け取った

流れは一方通行に見えますが、実際はSTEP1とSTEP2が同時並行になります。物件を調べながら戸籍も取り寄せる。並行して進めると全体の期間が縮みます。

ステップごとの必要書類チェックリスト

集める書類を先に把握しておくと、役所に行く回数を減らせます。基本セットは次のとおりです。

相続登記の基本必要書類チェックリスト
書類入手先用途
被相続人の出生〜死亡までの戸籍一式本籍地の市区町村相続人の確定
相続人全員の現在の戸籍各相続人の本籍地相続人の生存確認
被相続人の住民票除票最後の住所地の市区町村登記名義人の同一性確認
相続人の住民票住所地の市区町村新名義人の住所確定
固定資産評価証明書物件所在地の市区町村登録免許税の計算
登記事項証明書法務局物件の特定・現況確認

ケース別の必要書類の違い(遺言あり/遺産分割協議あり/法定相続)

上の基本セットに、相続の形に応じた書類が加わります。ここを取り違えると申請が通りません。

ケース別に追加で必要な書類
ケース追加で必要なものポイント
遺言あり遺言書(自筆は検認済み)公正証書なら検認不要
遺産分割協議あり遺産分割協議書・全員の印鑑証明書実印での押印が必須
法定相続分どおり追加書類は少ない協議書は不要だが持分計算が必要

自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が要ります。検認前に開封しないこと。これは意外と知られていない落とし穴です。

STEP1〜3|物件・相続人・必要書類を集める手順

不動産の相続登記を自分で行いました!手順公開
不動産の相続登記を自分で行いました!手順公開

前半3ステップは「集める」作業です。地味ですが、ここでの抜け漏れが後の補正に直結します。丁寧にいきましょう。

STEP1〜3|物件・相続人・必要書類を集める手順

STEP1 物件調査|登記事項証明書の取得と私道・共有持分の確認

まず、相続する不動産を全部リストアップします。固定資産税の納税通知書に付いてくる課税明細が手がかりです。

明細に載った地番・家屋番号で、法務局の登記事項証明書を取ります。1通490〜600円。窓口でもオンラインでも取得できます。

ここで一番見落とすのが私道と共有持分です。自宅前の私道が別の地番で、しかも近所と共有になっている。課税明細に載らない非課税の私道は特に漏れやすい。地番をたどって隣接地まで確認してください。

漏れ防止には名寄帳が効きます。市区町村で名寄帳を取れば、その自治体内で故人名義の不動産が一覧で出ます。「あると思っていなかった山林が出てきた」というのはよくある話です。

ここまでで対象物件が1件残らず洗い出せていれば、STEP1は合格です。

STEP2 相続人調査|広域交付制度を使った戸籍の集め方

相続人を確定するため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を全部つなげます。転籍や結婚のたびに戸籍は作り替えられているので、複数の役所にまたがるのが普通です。

ここで2024年3月から始まった広域交付制度が役立ちます。本籍地が遠方でも、最寄りの市区町村の窓口で全国の戸籍をまとめて請求できるようになりました。郵送で各地から取り寄せる手間が大幅に減ります。

ただし広域交付は本人や配偶者・直系の親族など請求できる人が限られ、コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外です。手書きの古い改製原戸籍は従来どおり本籍地に請求します。

古い戸籍は読みにくいですが、見るべきは「いつ生まれ、いつ婚姻・転籍し、いつ亡くなったか」の連続性です。前の戸籍とつながっているかを追います。

代襲相続と兄弟姉妹相続は要注意です。子がいない人の相続では、親も亡くなっていると兄弟姉妹に相続権が移り、その兄弟が先に亡くなっていれば甥姪へと広がる。戸籍の量が一気に増えます。相続人が全員確定できたら、STEP2はクリアです。

STEP3 必要書類収集|役所で取る書類とオンライン取得の使い分け

戸籍以外の書類を集めます。住民票や評価証明書は、マイナンバーカードがあればコンビニ交付で取れる自治体が多く、窓口に並ばずに済みます。

一方、印鑑証明書はコンビニ交付に対応する自治体が増えていますが、相続人本人しか取れません。遠方の相続人には自分で取ってもらう必要があります。

評価証明書は物件のある市区町村でしか出ません。遠方の物件なら郵送請求になります。ここは早めに動くのがコツです。

法定相続情報一覧図で戸籍束を省略するメリット

集めた戸籍一式を法務局に持っていくと、法定相続情報一覧図を無料で作ってもらえます。これは相続関係を1枚にまとめた公的な証明書です。

何が便利かというと、この一覧図1枚で戸籍の束の代わりになる点です。登記だけでなく、銀行の預貯金解約や証券の手続きでも使えます。複数の窓口を回るなら、必要枚数を発行してもらえば戸籍の取り直しが不要になります。

私なら、相続手続きが複数ある人にはこれを必ず作ります。戸籍の通数を抑えられ、結果として実費も時間も節約できるからです。

STEP4〜7|書類作成から法務局への申請まで

集め終わったら、いよいよ作って出す段階です。ここでミスが出ると補正になります。記載例を見ながら丁寧に進めましょう。

STEP4〜7|書類作成から法務局への申請まで

STEP4 書類作成|遺産分割協議書・相続関係説明図の書き方と記載例

遺産分割協議書は、誰がどの不動産を取得するかを決めた書面です。最大の注意点は不動産の特定方法。住所ではなく、登記事項証明書どおりの所在・地番・地目・地積で書きます。

記載例のイメージはこうです。「所在 ○○市○○町、地番 12番3、地目 宅地、地積 120.50平方メートル を相続人○○が取得する」。登記簿の表記と一字でも違うと補正の対象になります。

相続関係説明図は、被相続人と相続人の関係を示した家系図です。これを添付すると、提出した戸籍の原本を還付(返却)してもらえます。原本を他の手続きに使い回せるので、必ず作っておきたい書類です。

協議書と説明図ができたら、STEP4は完了です。

STEP5 署名押印|実印・印鑑証明書と遠方・非協力者への対応

遺産分割協議書には、相続人全員が署名し実印を押します。認印では不可。実印であることを証明するために、全員の印鑑証明書を添付します。

相続人が遠方にいる場合は、協議書を郵送して署名押印してもらい、印鑑証明書を同封して返送してもらう方法が一般的です。海外在住者は印鑑証明が取れないため、在外公館で署名証明(サイン証明)を取ってもらう形になります。

問題は協力してくれない相続人がいるケース。協議書は全員の合意が前提なので、1人でも拒否すれば登記は進みません。話し合いがこじれたら、家庭裁判所の遺産分割調停という道になります。ここまで来たら、正直、自力での登記は一度あきらめて専門家に相談すべきです。

全員分の押印と印鑑証明がそろえば、STEP5はクリアです。

STEP6 申請書作成|登記申請書の書き方と収入印紙での納付手順

登記申請書は法務局の様式に沿って作ります。登記の目的、原因(相続)、相続人、添付書類、課税価格、登録免許税などを記載します。書式は法務局のサイトに記載例があるので、それを下敷きにするのが確実です。

登録免許税は、STEP2で計算した額の収入印紙を申請書に貼って納めます。印紙に消印は押しません。法務局がやります。

複数枚にわたる申請書は、ホチキスで綴じて各ページの継ぎ目に契印(割印)を押します。添付書類の原本還付を受けるなら、コピーに「原本と相違ない」旨を記載して押印したものを添えます。ここの作法は細かく、私も最初は戸惑いました。

申請書と印紙、添付書類一式がそろったら、STEP6は完了です。

STEP7 申請と完了確認|窓口・郵送・オンライン申請の比較と登記識別情報の保管

申請先は、物件を管轄する法務局です。複数の市区町村にまたがる物件は、それぞれの管轄に申請が必要なこともあるので、事前に管轄を確認します。

3つの申請方法の比較
方法メリットデメリット
窓口その場で職員に確認できる・補正が早い平日に出向く必要がある
郵送遠方でも出せる・移動不要補正のやり取りに時間がかかる
オンライン自宅から申請可・処理が早い電子署名や専用ソフトの準備が必要

オンライン申請は登記・供託オンライン申請システムの申請用総合ソフトを使います。電子署名のためマイナンバーカードとICカードリーダーが要り、初回の環境構築でつまずきやすい。年に1回の手続きなら、私は窓口か郵送を勧めます。

申請から1〜2週間ほどで完了し、登記識別情報通知が交付されます。これは旧来の権利証にあたる重要書類で、12桁の符号が記載されています。再発行は一切されません。封をしたまま厳重に保管してください。これを受け取れたら、相続登記は完了です。

つまずきやすいケースと自分でやった人の失敗・対処例

順調にいけば前章までで終わりますが、現実はそう単純ではありません。ここでは自力組がつまずきやすいポイントと、その対処をまとめます。

つまずきやすいケースと自分でやった人の失敗・対処例

数次相続・相続放棄・相続人申告登記など複雑なケースの対応手順

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