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遺言書の書き方完全ガイド|自筆の手順・文例・費用をやさしく解説

相続・終活ナビ編集部 / 更新:2026-06-18
遺言書の書き方完全ガイド|自筆の手順・文例・費用をやさしく解説
「自分で書いた遺言書が、形式不備で無効になったらどうしよう」。これが、遺言書を書こうとする人がいちばん恐れていることだと思います。結論から言うと、自筆証書遺言は要件を守れば自宅で書けますし、不安なら公正証書遺言や法務局の保管制度で安全側に倒せます。

この記事では、自筆証書遺言の記入手順を1ステップずつ、文例つきで示します。財産目録の作り方、訂正・保管・検認の流れ、公正証書との費用比較、無効になりやすい失敗まで、出典をつけて順番にたどれます。

私は相続・終活の制度を、法務省や日本公証人連合会といった公式情報にあたって整理しています。数字はすべて出典つきです。まずは書き始める前の準備から。

遺言書の書き方を始める前に(所要時間・難易度・必要なもの)

遺言書を「日本一カンタンに書く方法」教えます!
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自筆証書遺言は、極端に言えば紙とペンと印鑑があれば今日書けます。ただし「全文を自分の手で書く」のが大原則。ここを知らずに始めると、せっかくの時間が無駄になります。

遺言書の書き方を始める前に(所要時間・難易度・必要なもの)

法務省も、自筆証書遺言は遺言者が全文・日付・氏名を自書し押印する必要があると明記しています。

自筆証書遺言を書くのにかかる時間と難易度

財産と相続人が整理できていれば、本文の清書自体は1〜2時間で終わります。難しいのは清書より「整理」と「文言の正確さ」です。

正直に言うと、相続させたい人や財産が複雑な人ほど、自筆だけで完結させるのはおすすめしません。後述の公正証書を検討したほうが、無効リスクは下がります。

用意する道具と前提条件

必要なものはシンプルです。鉛筆や消えるボールペンは避けてください。改ざんを疑われない、消えない筆記具を使います。

自筆証書遺言を書くのに必要なもの
道具・前提ポイント
消えない筆記具(黒のボールペン等)鉛筆・フリクションは不可
白紙(A4など)用紙の指定は法律上なし。財産目録のみパソコン可
実印または認印押印が必須。実印が無難
財産がわかる資料通帳・登記事項証明書・保険証券など
相続人がわかる資料続柄を正確に書くため戸籍を確認

エンディングノートとの違い

ここを混同する人がとても多いです。エンディングノートに「長男に家を渡す」と書いても、法的な効力はありません。

財産を誰にどう渡すかを法的に決めたいなら遺言書、思いや希望を自由に残したいならエンディングノート。役割が違います。両方を使い分けるのが現実的です。

遺言書を書くことをおすすめしたいケース

私が「これは書いておいたほうがいい」と感じるのは、次のような人です。

遺言書を書くことをおすすめしたいケース
こんな人理由
子どもがいない夫婦配偶者と親・兄弟で相続が分かれ、もめやすい
再婚で前婚の子がいる相続人同士が疎遠で協議が難航しやすい
特定の人に多く渡したい法定割合と違う配分は遺言が必要
相続人以外に渡したい内縁の配偶者・お世話になった人・団体への遺贈
事業や不動産がある分割しにくい財産は指定がないと紛糾する

遺言書の種類と選び方(自筆証書・公正証書)

遺言書には主に自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自分で書くか、公証人に作ってもらうかの違いです。安全性とコストがトレードオフになります。

遺言書の種類と選び方(自筆証書・公正証書)

公正証書遺言は公証人が作成し、証人2人以上の立会いが必要だと日本弁護士連合会が説明しています。

自筆証書遺言の特徴と要件

最大の魅力は費用がほぼかからないこと。デメリットは、形式不備で無効になりやすいことと、内容を一人で確認するため誤りに気づきにくいことです。

要件は、全文・日付・氏名の自書と押印。ただし財産目録だけはパソコン作成や通帳コピーの添付が認められ、その場合は各頁に署名押印が必要です。

公正証書遺言の特徴と証人・立会人の要件

公証人が法律のプロとして作るので、形式不備で無効になる心配がほぼありません。原本は公証役場で保管され、紛失・改ざんの不安もない。私が安全性を最優先するなら、これを勧めます。

証人は2人以上必要です。推定相続人や受遺者、その配偶者・直系血族は証人になれません。適任者がいなければ公証役場で紹介してもらえます。

自筆 vs 公正証書の費用比較

費用感をまとめます。自筆は保管制度を使っても少額、公正証書は財産額に応じた手数料がかかります。

自筆証書遺言と公正証書遺言の費用比較
公正証書の手数料は財産の目的価額で変動。証人を公証役場で頼むと日当が別途発生。
項目自筆証書遺言公正証書遺言
作成費用紙とペンのみ(実質ほぼ0円)目的価額に応じた手数料
保管法務局保管制度なら1通3,900円公証役場で原本保管
証人不要2人以上(公証役場依頼で1人1万円程度)
無効リスク形式不備で無効になりやすい公証人作成で低い
検認保管制度利用なら不要不要

認知症・判断能力と遺言能力の関係

遺言には「遺言能力」が必要です。判断能力が著しく低下した状態で書いた遺言は、後から無効を争われることがあります。

認知症の診断があっても、症状の程度や時期によって遺言できる場合もあります。心配なら、判断能力があるうちに公正証書で作り、医師の診断書を残しておくと争いを抑えられます。

自筆証書遺言の書き方を手順で解説(ステップバイステップ)

ここからが本題です。自筆証書遺言を4ステップで仕上げます。各ステップに「ここまでできていれば正しい」という確認の目安を付けました。

自筆証書遺言の書き方を手順で解説(ステップバイステップ)

前提として、本文は財産目録を除き全文を手書きします。これは法務省が示すルールです(前述)。

ステップ1 財産と相続人を整理する

いきなり書き始めない。まず財産と相続人を紙に書き出します。これが一番大事な準備です。

預貯金は「銀行名・支店名・口座番号」、不動産は登記事項証明書どおりの「所在・地番・家屋番号」をメモ。相続人は戸籍で続柄を確認します。

確認の目安:誰に・どの財産を・どれだけ渡すかが一覧で説明できれば、ステップ1は完了です。

ステップ2 本文を手書きで記入する

財産ごとに、誰に相続させるかを書いていきます。「相続人○○に相続させる」「○○へ遺贈する」と明確に。あいまいな表現は争いのもとです。

文例:「第1条 遺言者は、遺言者の長男 山田一郎(昭和○年○月○日生)に、次の不動産を相続させる。」

確認の目安:第三者が読んでも、どの財産が誰のものか一通りに読めれば合格です。

ステップ3 財産目録を作成・添付する

財産が多いときは、本文に「別紙財産目録のとおり」と書き、目録を添付します。目録はパソコン作成や通帳コピーの添付でOK。手書きの負担が一気に減ります。

ただし注意。目録の各ページに署名と押印が必要です。これを忘れると目録部分が無効になります。

確認の目安:目録の全ページに署名・押印があり、本文と対応していれば完了です。

ステップ4 日付・署名・押印で仕上げる

最後に、作成した日付・氏名を自書し、押印します。日付は「令和○年○月○日」と特定できる形で。「吉日」はダメです、無効になります。

確認の目安:全文手書き・日付特定・署名・押印の4点がそろえば、自筆証書遺言として成立します。これで「自分の手で有効な遺言書を完成」できました。

盛り込みたい内容と文例・テンプレート

法務局に預ける自筆証書遺言書 3分で分かる!作成の基本
法務局に預ける自筆証書遺言書 3分で分かる!作成の基本

何をどう書くかで迷う人が多いので、代表的な条項の文例を出します。民法は遺言による相続分の指定や遺贈を認めています。

盛り込みたい内容と文例・テンプレート

相続分の指定・遺産分割方法の指定の書き方

割合で決めるか、財産ごとに割り当てるかの2通りです。

指定の書き方の文例
指定の種類文例
相続分の指定遺言者は、相続分を妻に3分の2、長男に3分の1と指定する。
遺産分割方法の指定遺言者は、自宅不動産を妻に、預貯金を長男に相続させる。

予備的遺言・祭祀承継者・付言事項の書き方

渡す相手が自分より先に亡くなる可能性に備えるのが予備的遺言です。「長男が遺言者より先に死亡したときは、孫○○に相続させる」と一文足しておくと安心です。

お墓や仏壇を継ぐ人は祭祀承継者として指定できます。「祭祀を主宰すべき者として長女○○を指定する」と書きます。

付言事項は、感謝や理由を自由に書ける部分です。法的効力はありませんが、「なぜこの配分にしたか」を残すと、相続人の納得感が変わります。私は付言を入れることを強く勧めます。

遺贈寄付・法定相続人以外への指定

相続人以外の人や団体に財産を渡すには「遺贈」を使います。「遺言者は、○○法人に金100万円を遺贈する」のように書きます。

遺贈寄付には費用の助成制度もあります。フリーウィルズキャンペーン2025では、遺贈寄付のための遺言書作成にかかる専門家報酬の一部が助成され、上限は最大10万円。対象期間は2025年9月19日から2026年3月31日までです。

助成内容は、30万円以上の遺贈寄付で一律最大10万円、10万円以上30万円未満で一律最大3万円。対象は10万円以上の遺贈寄付を行う人です。

デジタル遺産・ネット資産への対応

見落とされがちなのがネット証券・暗号資産・サブスクです。残された家族はIDやパスワードが分からず、存在にすら気づけません。

遺言書本文にパスワードを直接書くのは危険です。代わりに「○○証券にネット口座あり」と存在だけ記し、IDや手続きはエンディングノートや専門家に預ける形にします。

訂正・書き換え・保管・検認の正しい進め方

書いた後の管理にも法律のルールがあります。とくに訂正方法は厳格で、間違えると訂正が無効になります。

訂正・書き換え・保管・検認の正しい進め方

保管については、法務局の自筆証書遺言書保管制度が使えます。手数料は遺言書1通につき3,900円です(前述の法務省ページ)。

訂正・加筆・修正の正しい方法

修正液は使えません。書き間違えたら、変更箇所に二重線を引いて押印し、正しい内容を書き加えます。

さらに、欄外などに「本行2字削除3字追加」と変更内容を記し、署名する必要があります。ここまでやって初めて訂正が有効です。

正直、訂正のルールは複雑です。大きな修正なら、私は書き直しを勧めます。そのほうが確実です。

遺言書の書き換え・撤回の方法

遺言はいつでも撤回・書き換えできます。新しい日付で作り直せば、内容が抵触する部分は新しいものが優先されます。

古い遺言は破棄しておくと混乱を防げます。前の遺言を生かしたくないなら「過去の遺言をすべて撤回する」と明記すると確実です。

法務局の自筆証書遺言書保管制度の手続き

作った遺言書を法務局で預かってもらえる制度です。自宅保管の紛失・改ざん・発見されないリスクを避けられます。

手続きは、保管所(法務局)に本人が出向き、申請書と本人確認書類を提出します。手数料は1通3,900円。大きな利点は、この制度を使うと家庭裁判所の検認が不要になることです。

検認手続きの流れと必要書類

保管制度を使わない自筆証書遺言は、相続発生後に家庭裁判所での検認が必要です。検認前に勝手に開封してはいけません。

検認手続きの主な流れと必要書類
項目内容
申立先遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
主な必要書類検認申立書、遺言者の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍
流れ申立→裁判所から期日通知→相続人立会いのもと開封・確認
注意点検認は有効・無効を判断する手続きではない

遺言書でよくある失敗・無効事例と先回り対策

無効になる遺言には、はっきりしたパターンがあります。先に知っておけば9割は防げます。

遺言書でよくある失敗・無効事例と先回り対策

そして見落としやすいのが遺留分。法律で守られた相続人の最低取り分を侵害すると、後でもめます。

うまくいかないときの無効パターンと直し方

よくある無効・失敗パターンと対策
失敗直し方
日付が「吉日」令和○年○月○日と特定して書き直す
パソコンで本文を作成本文は全文手書きに。目録のみパソコン可
押印を忘れた署名のそばに必ず押印する
財産目録に署名押印なし各ページに署名押印を入れる
訂正方法が不正確二重線+押印+変更内容の付記、不安なら書き直し

遺留分を侵害しない書き方

遺留分とは、配偶者や子などが最低限受け取れる取り分のことです。「全財産を長男に」と書いても、他の相続人は遺留分を請求できます。

対策は、遺留分を意識して配分すること。やむを得ず偏らせるなら、付言事項に理由を書いて納得を促します。請求リスクをゼロにはできませんが、争いの温度は下げられます。

遺言執行者の指定で手続きを安心にする

遺言の内容を実際に実行する人を遺言執行者といい、遺言で指定できると民法に定められています(前述の民法)。

執行者を決めておくと、預金解約や名義変更を相続人全員でやらずに済みます。指定がなければ相続人が手続きを担うか、家庭裁判所に選任を申し立てます。信頼できる人か専門家を指定しておくと、残された家族の負担が大きく減ります。

費用・専門家への相談・見直しのタイミング

全財産を相続人の一人に相続させる遺言書の書き方
全財産を相続人の一人に相続させる遺言書の書き方

費用は「自筆=ほぼ無料」「公正証書=財産額しだい」が基本構図です。具体的な手数料を見ておきましょう。

費用・専門家への相談・見直しのタイミング

公正証書の手数料は、日本公証人連合会が目的価額ごとに定めています。

公正証書遺言の作成手数料の目安

公正証書遺言の手数料(目的価額別)
財産を渡す相手ごとに価額を区分して計算するため、合計は変動する。
目的価額手数料
1,000万円超3,000万円以下2万3,000円
3,000万円超5,000万円以下2万9,000円
5,000万円超1億円以下4万3,000円

弁護士・司法書士・行政書士への相談の判断基準と費用相場

自分で書けるか迷ったら、財産と人間関係の複雑さで判断します。シンプルなら自筆、もめそうなら専門家、が私の基準です。

相談先の選び方の目安
相談先向いているケース
行政書士遺言文案づくりなど書類作成を中心に頼みたい
司法書士不動産の名義変更(相続登記)まで見据えたい
弁護士相続人同士の対立・紛争の可能性が高い

なお、各専門家の報酬額は事務所ごとに幅があるため、ここでは断定しません。見積りを取って比較してください。

相続税対策と遺言書の関係

遺言は「誰に渡すか」を決めるもので、それ自体が税金を減らす道具ではありません。ただ、配分の仕方は納税額に影響します。

配偶者への配分や、納税資金をどう確保するかは税理士の領域です。財産が大きい人は、遺言の内容を決める段階で税理士に相談すると失敗が減ります。

作成のタイミングと見直し時期

判断能力があるうちに書くのが鉄則です。「まだ早い」と先延ばしして書けなくなるケースを何度も見てきました。

見直しのきっかけは、結婚・離婚、子や孫の誕生、不動産の売買、相続人の死亡など。状況が変わったら作り直す、と覚えておけば十分です。

よくある質問(FAQ)

最後に、検索でよく一緒に調べられる疑問へ短く答えます。

よくある質問(FAQ)

よくある質問

遺言書の書き方とは?
自筆証書遺言なら、本文を全文手書きし、日付・氏名を自書して押印します。財産目録だけはパソコン作成や通帳コピーの添付が認められますが、各ページに署名押印が必要です(法務省)。公正証書遺言なら公証人が作成し、証人2人以上の立会いが必要です。
遺言書の書き方にかかる費用は?
自筆証書遺言は紙とペンがあれば実質無料です。法務局の保管制度を使う場合は1通3,900円。公正証書遺言は財産額に応じた手数料がかかり、例えば目的価額3,000万円超5,000万円以下で2万9,000円です。証人を公証役場で頼むと1人1万円程度の日当が別途かかることがあります。
遺言書の書き方の始め方は?
まず財産と相続人を紙に書き出して整理します。次に「誰に何を渡すか」を本文に手書きし、必要なら財産目録を添付。最後に日付・署名・押印で仕上げます。不安なら法務局の保管制度や公正証書遺言を使い、無効リスクを下げてください。
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