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相続税・生前贈与

相続税はいくらから?基礎控除額と早見表で目安を徹底解説

相続・終活ナビ編集部 / 更新:2026-06-18
相続税はいくらから?基礎控除額と早見表で目安を徹底解説
「うちの実家、相続税ってかかるの?」――親の家や預金を前に、いちばん多い不安がこれです。結論を先に言います。相続税は遺産がいくらあってもかかるわけではなく、「基礎控除額」を超えたときだけ発生します。

基礎控除額は 3,000万円+600万円×法定相続人の数。たとえば相続人が3人なら4,800万円までは相続税ゼロ、申告も不要です。

この記事で分かること:相続人数別の課税ライン(金額)、税率の速算表を使った計算例、特例で負担を減らす方法、申告の流れと期限、そして見落としがちな二次相続の落とし穴まで。まず自分の家の目安を確認してください。

相続税はいくらからかかる?結論は「基礎控除額を超えたとき」

相続税いくらから?かかる人とかからない人の違いとは。基礎控除の仕組みと税額シミュレーションを解説
相続税いくらから?かかる人とかからない人の違いとは。基礎控除の仕組みと税額シミュレーションを解説

もう一度はっきりさせます。相続税は遺産総額がそのまま課税されるのではなく、基礎控除額を超えた部分にだけかかります。財務省によると、実際に相続税がかかった人の割合は令和5年で約9.9%。亡くなった方の10人に1人ほどです。

相続税はいくらからかかる?結論は「基礎控除額を超えたとき」

相続税とは何かをやさしく解説

相続税は、亡くなった人(被相続人)の財産を受け継いだときにかかる税金です。預貯金、不動産、株式などを合計した遺産総額が対象になります。

ポイントは、財産を受け取った人みんなが必ず払うわけではない点。後で説明する基礎控除という「非課税の枠」があるからです。

遺産総額が基礎控除を上回ると課税される仕組み

流れはシンプルです。遺産総額を出す → 基礎控除額を引く → 残った金額(課税遺産総額)に税率をかける。

政府広報オンラインも、相続税の課税価格が基礎控除以下なら相続税はかからず申告も不要、と明確に案内しています。つまり「基礎控除を超えるかどうか」が最初の分かれ道です。

相続税がかかる人の割合と地域差

前述の財務省データの約9.9%という数字を、私は意外に低いと感じました。報道で「相続税が身近になった」と聞くと全員にかかる気がしてしまいますが、実際は1割弱です。

ただし都市部、とくに地価の高い地域では実家の土地評価が上がりやすく、課税される割合は全国平均より高くなります。持ち家がある人ほど一度試算する価値があります。

相続税の基礎控除額と「いくらから」の具体的な目安

ここがこの記事の核心です。基礎控除額が分かれば、自分の家に相続税がかかるかどうかの線引きができます。計算式は全国共通でひとつだけ。

相続税の基礎控除額と「いくらから」の具体的な目安

基礎控除額の計算方法(3000万円+600万円×法定相続人)

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数。これだけです。法定相続人とは、民法で決まった相続できる人(配偶者・子など)を指します。

人数が増えるほど控除枠も広がるので、相続人が多い家庭ほど課税ラインは高くなります。

相続人2人・3人の場合の課税ラインを金額で明示

具体的な金額で示します。相続人が1人なら基礎控除は3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円。政府広報も、相続人3人で課税価格が4,800万円以下なら相続税はかからず申告も不要、と例示しています。

つまり遺産がこのラインを下回るなら、相続税の心配はほぼ要りません。

遺産額×相続人数の早見表

法定相続人の数別 基礎控除額(課税ライン)
基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数。出典:国税庁・政府広報
法定相続人の数基礎控除額この金額以下なら相続税
1人3,600万円かからない
2人4,200万円かからない
3人4,800万円かからない
4人5,400万円かからない
5人6,000万円かからない

まずは遺産総額の見込みと相続人の数を、この表に当てはめてください。これで「うちはかかる側か、かからない側か」のあたりがつきます。

相続財産に含まれるもの・含まれないものの具体例

早見表で線を引く前に、そもそも「遺産総額」に何を入れるかを正しく押さえる必要があります。ここを誤ると、かからないはずが課税ラインを超えたり、その逆も起きます。

相続財産に含まれるもの・含まれないものの具体例

生命保険金の非課税枠やみなし相続財産

死亡保険金や死亡退職金は、本来の遺産ではなくても税法上は「みなし相続財産」として課税対象に含まれます。

ただし生命保険金には非課税枠があり、500万円×法定相続人の数までは課税されません。相続人3人なら1,500万円まで非課税です。保険の入り方ひとつで結果が変わります。

債務控除・葬式費用で差し引けるもの

借入金や未払いの医療費などの債務、そして葬式費用は遺産総額から差し引けます。プラスの財産だけでなくマイナスも反映する、という考え方です。

逆に、墓地・仏壇など祭祀に関わる財産は原則として相続税の対象になりません。

不動産・株式・預貯金の評価方法

財産は種類ごとに評価方法が違います。預貯金は残高そのまま。上場株式は相続発生日などの株価を基準に評価します。

いちばん悩ましいのが不動産です。土地は路線価などをもとに評価し、時価より低く出ることが多い一方、計算が複雑です。実家の土地が大きい家庭ほど、この評価が課税ラインを左右します。

相続税の計算手順と税率表(速算表)でわかる金額

【相続税】を計算する【基本的】な手順を【具体例】を使って解説
【相続税】を計算する【基本的】な手順を【具体例】を使って解説

課税ラインを超えそうなら、次は「いくら払うのか」です。相続税は、基礎控除を引いた後の課税遺産総額にいきなり税率をかけるのではなく、いったん法定相続分で分けてから計算します。ここを誤解する人が多いので順番どおり進めます。

相続税の計算手順と税率表(速算表)でわかる金額

課税遺産総額を法定相続分で按分する

手順はこうです。①遺産総額から基礎控除を引いて課税遺産総額を出す。②それを法定相続分どおりに各相続人へ割り振る。③それぞれに税率をかけて合算し、相続税の総額を出す。④実際の取得割合で按分し直す。⑤各種控除を引く。

いったん法定相続分で分けるのは、税率が累進(金額が大きいほど高率)だから。分けてから計算することで税額が決まります。

速算表を使った相続税額の計算例

相続税の速算表(法定相続分に応ずる取得金額)
出典:国税庁「No.4155 相続税の税率」
取得金額税率控除額
1,000万円以下10%-
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

計算例を出します。相続人が子2人、遺産総額6,000万円のケース。基礎控除は4,200万円なので、課税遺産総額は1,800万円。

これを法定相続分で半分ずつ(各900万円)に分けます。900万円は1,000万円以下なので税率10%、1人あたり90万円。2人合わせて相続税の総額は180万円です。

相続税を試算する3つの方法(自分・早見表・シミュレーション)

試算の方法は大きく3つ。速算表で自分で計算する、早見表で当たりをつける、シミュレーションサイトに入力する。

正直、おおよその目安なら早見表で十分です。ただし不動産の評価や特例が絡むと自己計算はミスが出やすい。正確な額が必要なら、後述の税理士相談が確実です。

相続税の負担を軽くする特例・控除

課税ラインを超えても、特例や控除で税額が大きく下がる、あるいはゼロになることがあります。とくに配偶者と自宅を持つ家庭への効果が大きいです。

相続税の負担を軽くする特例・控除

小規模宅地等の評価減の特例

自宅の土地などについて、一定要件を満たすと評価額を最大80%減額できる特例です。実家の土地評価が高い家庭ほど効きます。

効果が大きいぶん要件も細かく、誰がどう住み続けるかで適用可否が変わります。使えそうなら専門家に確認したいところです。

配偶者の税額軽減

配偶者が取得した財産は、1億6,000万円まで、または法定相続分までなら相続税がかかりません。これは非常に強力な軽減です。

ただし、配偶者に寄せすぎると次の相続(二次相続)で子の負担が重くなることがあります。この落とし穴は後半で詳しく扱います。

障害者控除・相次相続控除・贈与税額控除

このほかにも負担を軽くする控除があります。相続人が障害者のときの障害者控除、短期間に相続が重なったときの相次相続控除、生前贈与で払った贈与税を差し引く贈与税額控除など。

自分の家庭が当てはまるものがないか、一通り確認しておくと取りこぼしを防げます。

相続税の申告・納付の流れと払えないときの対処法

課税される側だと分かったら、期限管理が最優先です。相続税の申告には明確な締め切りがあり、遅れるとペナルティが発生します。

相続税の申告・納付の流れと払えないときの対処法

申告期限は10ヵ月以内・必要書類一覧

申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内。国税庁は、申告と納付をこの期限内に行うよう案内しています。

10か月は長く見えて、遺産の調査・評価・遺産分割協議を考えると正直あっという間です。早めに財産目録を作り始めるのが安全です。

申告漏れ時のペナルティ(無申告加算税・延滞税・重加算税)

期限を過ぎたり申告が漏れたりすると、本来の税額に加えてペナルティがかかります。代表的なのが、申告しなかった場合の無申告加算税、納付が遅れた期間に応じてかかる延滞税、意図的に隠した場合の重加算税です。

とくに重加算税は重く、財産を意図的に隠す行為への制裁です。「面倒だから後で」は一番損をします。

相続税が払えない場合の延納・物納制度

相続税は原則として現金で一括納付です。とはいえ遺産が不動産ばかりで現金が乏しい、という状況は珍しくありません。

そのための制度が、分割で納める延納と、現物(不動産など)で納める物納です。いずれも要件と手続きがあるため、払えないと分かった時点で早めに税務署や税理士へ相談してください。

【独自解説】見落としやすい二次相続と申告ミスの落とし穴

相続税の計算方法を具体例つきで日本一わかりやすく解説します!
相続税の計算方法を具体例つきで日本一わかりやすく解説します!

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。目先の相続税を抑えたつもりが、次の相続でかえって損をする――この二次相続の落とし穴を知らない人が本当に多い。

【独自解説】見落としやすい二次相続と申告ミスの落とし穴

一次相続より二次相続が高くなる理由

一次相続(例:父が亡くなり、母と子が相続)と、二次相続(その後、母が亡くなり子だけが相続)では条件が違います。

理由は2つ。二次相続では配偶者がいないぶん法定相続人が減り、基礎控除が小さくなる。さらに最強の軽減である配偶者の税額軽減が使えない。だから同じ財産でも二次相続のほうが税額が膨らみやすいのです。

私の意見を言えば、一次相続で「配偶者控除があるから全部母へ」と安易に寄せるのは危険。二次相続まで合わせた総額で考えるべきです。

特例適用で「申告は必要だが税額ゼロ」になるケース

見落としが多いのがこれ。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、適用すれば税額がゼロになることがありますが、その特例を使うこと自体に申告が条件になっています。

つまり「税額ゼロ=申告不要」ではありません。基礎控除以下なら申告不要ですが、特例で税額ゼロになる場合は申告して初めて特例が認められます。ここを取り違えると、特例が使えず課税されかねません。

よくある計算ミス・誤解されやすいポイント

つまずきやすい点を挙げます。生命保険金を全額遺産に入れてしまう(非課税枠の差し引き忘れ)、課税遺産総額にいきなり税率をかけてしまう(法定相続分での按分を飛ばす)、葬式費用や債務を引き忘れる、不動産を時価で高く見積もりすぎる。

どれも結果を大きく動かします。手順を一段ずつ踏むこと、それが最大のミス対策です。

相続税対策と専門家への相談・よくある質問

最後に、生前にできる対策と、専門家に頼むかどうかの判断材料を整理します。早く動くほど選べる手が増えるのが相続です。

相続税対策と専門家への相談・よくある質問

生前贈与など生前にできる節税方法

代表的なのが生前贈与の活用です。計画的に財産を移すことで、相続時の課税対象を減らせます。生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)を意識した加入も有効です。

ただし贈与にも贈与税というルールがあり、やり方を誤ると逆効果になります。長期で考えるほど効くので、元気なうちに方針を決めておきたいところです。

税理士に依頼する場合の費用相場と選び方

正直に言うと、不動産が複数あったり特例が絡んだりするケースは、自己申告より税理士に頼むほうが安全です。評価や特例判断は専門性が高く、ミスが税額に直結します。

選ぶときは、相続税申告の実績が豊富か、見積もりの内訳が明確か、二次相続まで見据えた提案をしてくれるかを基準にしてください。報酬は事務所により幅があるため、依頼前に必ず見積もりを取って比較するのが鉄則です。

相続税に関するよくある質問(FAQ)

よくある質問

相続税はいくらからかかりますか?
遺産総額が基礎控除額を超えたときにかかります。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数で、相続人1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円です。これ以下なら原則として相続税はかからず申告も不要です(国税庁・政府広報)。
相続税の申告や納付にかかる費用・期限は?
相続税は原則として現金一括納付で、申告・納付の期限は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかります。税理士に依頼する場合の報酬は事務所ごとに差があるため、見積もりを取って比較してください。
相続税の手続きは何から始めればいいですか?
まず遺産と法定相続人を確定し、財産目録を作って遺産総額を把握します。次に早見表で基礎控除を超えるか確認し、超えそうなら特例の可否を検討して10か月以内に申告。特例で税額ゼロになる場合でも申告が必要なので注意してください。

まずやることはひとつ。遺産総額の見込みと相続人の数を、この記事の早見表に当てはめてください。基礎控除を超えそうなら、特例と二次相続まで含めて早めに税理士へ相談する。動き出しが早いほど、選べる手は増えます。

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