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相続税・生前贈与

相続税とは?計算方法・控除・申告手続きをわかりやすく解説

相続・終活ナビ編集部 / 更新:2026-06-18
相続税とは?計算方法・控除・申告手続きをわかりやすく解説
親が亡くなって相続の話が出ると、まず気になるのが「うちは相続税がかかるのか、かかるとしていくらなのか」です。結論から言うと、相続税は財産を受け取った人全員にかかるわけではありません。

財産から借金や葬式費用を引いた額が「基礎控除額」を超えたときだけ課税されます。実際に相続税が課された割合は、令和5年で9.9%程度です。つまり10人に1人ほど。

この記事では、誰にいくらかかるのかを早見表で確認しつつ、基礎控除の計算、控除や特例による節税、申告期限や必要書類、税理士費用までまとめました。自分の家族の場合に当てはまるかを判断できる材料を、出典つきで揃えています。

相続税とは?基本のしくみと課税される財産

相続税の計算方法を具体例つきで日本一わかりやすく解説します!
相続税の計算方法を具体例つきで日本一わかりやすく解説します!

相続税は、人が亡くなったことで財産を取得した人にかかる税金です。財務省のQ&Aによると、相続だけでなく遺言で財産を受け取った受遺者も対象になります。

相続税とは?基本のしくみと課税される財産

相続税の概要と対象となる人

対象は「死亡により財産を取得した人」です。配偶者や子だけでなく、遺贈を受けた他人も含みます。

ただし全員に必ずかかるわけではない、という点が一番の誤解ポイントです。財産から借金や葬式費用を差し引いた後の額が、基礎控除額を超えて初めて課税されます。実際の課税割合は令和5年で9.9%程度にとどまります。

課税対象になる財産・ならない財産

課税対象は、現金・預貯金・土地・建物・株式といった、お金に換算できる財産が中心です。借金や葬式費用は逆に差し引けます。

見落としやすいのが生前贈与です。被相続人から相続開始前3年以内に受けた贈与財産は、相続税の課税価格に加算されます。「亡くなる前に渡したから関係ない」とはならないわけです。

名義預金やタンス預金など見落としやすい財産

私が調べていて一番怖いと感じたのが、名義預金です。子や孫の名義になっていても、実際にお金を出して管理していたのが親なら、それは親の財産として扱われます。

自宅の金庫に置いたままの現金、いわゆるタンス預金も同じ。名義や保管場所ではなく「誰の財産か」で判断されます。ここを甘く見ると、後の税務調査で指摘される典型例になります。

相続税はいくらかかる?計算方法と早見表

相続税の計算は、ざっくり言うと「財産の合計から基礎控除を引き、残りに税率をかける」流れです。税率は10%から55%の累進課税。基礎控除は法定相続人の数で決まります。

相続税はいくらかかる?計算方法と早見表

基礎控除額の計算方法と法定相続人の数え方

基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。課税遺産総額がこの額以下なら相続税はかからず、申告書の提出義務もありません。

法定相続人の数と基礎控除額
法定相続人の数計算式基礎控除額
1人3,000万円+600万円×13,600万円
2人3,000万円+600万円×24,200万円
3人3,000万円+600万円×34,800万円
4人3,000万円+600万円×45,400万円

法定相続人の数え方は、民法で順位が決まっています。配偶者は常に相続人。そこに子(第1順位)、いなければ親(第2順位)、それもいなければ兄弟姉妹(第3順位)が加わります。

相続税の税率と計算の流れ

国税庁の速算表では、税率は10%から55%。最高税率は55%です。取得金額が2億円超3億円以下なら45%にあたります。

計算の順番が独特で、ここでつまずく人が多い。まず財産を法定相続分で按分して各人の税額を出し、その合計を求めます。そのうえで、実際に取得した割合に応じて各人へ配分し直すという二段構えです。

相続税の速算表(法定相続分に応ずる取得金額)
国税庁 No.4155 相続税の税率より
取得金額税率
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%
5,000万円以下20%
1億円以下30%
2億円以下40%
3億円以下45%
6億円以下50%
6億円超55%

配偶者と子が相続人の場合・子だけの場合の早見表

法定相続分は組み合わせで変わります。相続人が配偶者のみなら配偶者が全額。配偶者と子がいる場合は、配偶者が2分の1、子ども全体で2分の1です。

子だけが相続人の場合は、子ども全体で全額を均等に分けます。配偶者がいるかどうかで税負担が大きく変わるのは、後で触れる配偶者の税額軽減が効くからです。

土地・建物・株式など各種財産の評価方法

相続税の計算で意外と難しいのが、財産をいくらと見るか、という評価です。土地は路線価方式や倍率方式、建物は固定資産税評価額を基準に評価します。

上場株式は、亡くなった日の終値など複数の基準のうち最も低い価額で評価できます。投資信託やゴルフ会員権にもそれぞれ評価ルールがあり、ここは正直、自分で正確に出すのが一番大変な部分です。

相続税を軽減できる控除と特例

相続税には、税額を大きく減らせる控除や特例があります。代表が配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例。使えるかどうかで、納める額が桁違いに変わります。

相続税を軽減できる控除と特例

配偶者の税額軽減

配偶者が取得した財産は、1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い金額まで、相続税がかかりません。配偶者は2割加算の対象外でもあり、優遇が手厚い立場です。

ただし、ここで配偶者に寄せすぎると次の相続(二次相続)で重くなることがあります。これは後の節で詳しく書きます。

未成年者控除・障害者控除・相次相続控除など

配偶者以外にも控除はいくつもあります。未成年者控除、障害者控除、短い期間に相続が続いたときの相次相続控除、生前贈与に支払った贈与税を差し引く贈与税額控除など。

逆に、相続人以外の人が財産を取得すると相続税額が2割加算されることがあります。1親等の血族と配偶者は対象外。孫やきょうだいが受け取る場合は、この加算を頭に入れておく必要があります。

小規模宅地等の特例の適用要件と減額割合

自宅の土地を相続するとき、要件を満たせば評価額を大幅に下げられるのが小規模宅地等の特例です。居住用の宅地なら、一定面積まで評価額を最大80%減額できます。

ただし「同居していたか」「申告期限まで住み続け所有を続けるか」といった要件が細かい。ここを誤解して使えないケースをよく見るので、適用前提で分け方を決めるのは危険です。

生命保険金・死亡退職金の非課税枠

死亡保険金と死亡退職金には、それぞれ「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。現金で残すより保険にしておくほうが、この枠の分だけ課税対象を減らせます。

私が相談を見ていて思うのは、生命保険は数少ない「事前にできる現実的な備え」だということ。受取人を決めておけば、分割協議を待たずに資金を渡せる利点もあります。

相続税の申告と納付の進め方

【後悔する前に】相続のプロが教える「相続税対策」の正しい順番と黄金ルート
【後悔する前に】相続のプロが教える「相続税対策」の正しい順番と黄金ルート

申告で一番大事なのは期限です。相続税の申告期限・納期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内。これは相続税法の手続規定に基づきます。

相続税の申告と納付の進め方

申告期限・納付期限(10ヶ月以内)のスケジュール

10か月は、思っているより短い。葬儀や役所の手続きをしているうちに、あっという間に数か月が過ぎます。

相続発生から申告までの目安スケジュール
申告・納付期限は死亡を知った日の翌日から10か月以内
時期やること
〜3か月相続放棄・限定承認の判断、遺言書の確認
〜4か月被相続人の所得税の準確定申告
〜7か月財産・債務の調査、評価、遺産分割協議
〜10か月相続税の申告書提出・納付

申告に必要な書類の一覧と入手方法

必要書類は数が多く、集めるだけで時間がかかります。戸籍関係、財産関係、本人確認の3グループで考えると整理しやすい。

主な必要書類と入手先
区分書類主な入手先
身分関係被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本本籍地の市区町村
身分関係相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書各自の市区町村
不動産固定資産評価証明書物件所在地の市区町村
預貯金残高証明書(死亡日時点)各金融機関
分割遺産分割協議書または遺言書相続人で作成/保管先

申告手続きのステップバイステップ

流れはシンプルです。財産を調べる→評価する→分け方を決める→申告書を作る→税務署に出して納める。提出先は、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署です。

つまずきやすいのは「分け方が決まらない」段階。協議がまとまらないまま期限が来ると、いったん法定相続分で申告して後から修正する手間が増えます。

延納・物納制度の要件と手続き

相続税は原則、現金で一括納付です。とはいえ不動産が大半で現金が足りないこともある。そのために延納(分割払い)と物納(モノで納める)の制度があります。

どちらも要件が厳しく、担保提供や審査が必要です。正直、まず使えないか検討する程度に考え、現金確保を先に動くほうが現実的だと私は思います。

知っておきたい節税対策と事前の備え

相続税対策は、亡くなってからでは打てる手が限られます。効くのは生前の準備。ここでは生前贈与と二次相続の考え方を中心に整理します。

知っておきたい節税対策と事前の備え

生前贈与・暦年贈与・相続時精算課税制度の活用

代表的なのが、毎年少しずつ渡す暦年贈与です。ただし相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されるため、直前の駆け込みは効きません。早く始めるほど有利です。

まとまった額を渡すなら相続時精算課税制度という選択肢もあります。この制度を選ぶと、贈与時の価額を相続税の課税価格に加算する仕組み。値上がりが見込める財産で検討する余地があります。

二次相続を見据えた遺産分割の考え方

一次相続(親の片方が死亡)で配偶者にできるだけ寄せると、その時の税はゼロに近づきます。でも残された配偶者が亡くなる二次相続では、配偶者の税額軽減が使えません。

私が一番伝えたいのはここです。目先の節税だけで配偶者に集めると、二次相続でまとめて重い税がかかることがある。一次・二次の合計で考えるのが、損をしない分け方の基本です。

遺産分割協議・遺言書がある場合とない場合

遺言書があれば、原則その内容で分けます。なければ相続人全員で遺産分割協議を行い、全員の合意で分割協議書を作ります。

協議は感情がぶつかりやすい場面。期限のある相続税申告と並行するので、早めに話し合いの場を持つのが結局いちばんの近道です。

相続放棄・限定承認の選択と相続税への影響

借金が多いなら、相続放棄や限定承認という選択もあります。これらは家庭裁判所への申述が必要で、原則は相続開始を知ってから3か月以内。期限が短いので注意です。

放棄すると、その人は初めから相続人でなかった扱いになります。ただし生命保険金の非課税枠など、基礎控除の人数カウントとの関係は別ルールがあるため、判断前に確認すべき点が残ります。

失敗しないための注意点とよくある事例

相続税で怖いのは、後から「足りなかった」と指摘されること。財産を相続した人の約1割が課税対象になる中で、申告漏れは決して他人事ではありません。

失敗しないための注意点とよくある事例

税務調査が入りやすいケースと対策

狙われやすいのは、先に触れた名義預金やタンス預金がある家庭です。生前の預金の動きと残高が合わない、現金の出どころが説明できない、こうしたケースは指摘を受けやすい。

対策はシンプルで、お金の流れを記録に残すこと。通帳のコピーや贈与の経緯をまとめておくだけで、説明できる状態を作れます。

申告漏れ・期限後申告のペナルティ

期限までに申告しないと無申告加算税、納付が遅れると延滞税がかかります。本来納めるべき額に上乗せされる、いわば罰金です。

「基礎控除を超えないと思っていた」が一番危ない油断です。土地の評価や名義預金の加算で、想定より財産が膨らむことは珍しくありません。

実際の申告事例とよくある失敗例

よく見る失敗を挙げると、小規模宅地等の特例を使えると思い込んで同居要件を満たさなかったケース。配偶者に寄せすぎて二次相続で重くなったケース。3年以内贈与の加算を忘れたケース。

どれも「事前に知っていれば防げた」ものばかりです。だからこそ、申告が必要そうなら早い段階で全体像を押さえておく価値があります。

自分で申告する場合と税理士に依頼する場合の比較

父親が亡くなった時の相続は母親と子供どっちの方がお得なのか?最強税理士が徹底解説します!
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申告は自分でもできます。ただ財産の評価や特例の判断が絡むと、専門家に任せたほうが安全な場面が増えます。判断材料を整理します。

自分で申告する場合と税理士に依頼する場合の比較

自分で申告するメリット・デメリット

自分でやる最大の利点は、税理士報酬がかからないこと。財産が現金・預金中心でシンプルなら、十分に現実的です。

一方で、土地の評価や小規模宅地等の特例が絡むと難易度が跳ね上がります。間違えれば過少申告や、逆に払いすぎにもつながる。正直、土地が複数ある人には自力をおすすめしません。

税理士に依頼する費用と相場

税理士費用の目安は、遺産総額の0.5〜1%程度が一つの相場感です。ただし依頼先や財産の内容で幅があり、相続税申告の報酬体系や見積りは事務所ごとに異なります。

見積りには含まれない作業もあります。戸籍収集の代行、不動産の現地調査、書面添付などがオプション扱いになることが多いので、何が込みなのかを最初に確認してください。

依頼すべきケースの判断基準

私の率直な基準を言うと、土地が複数ある、評価が難しい財産がある、相続人の関係が複雑、このどれかに当てはまるなら税理士に頼むべきです。

逆に、財産が預金中心で相続人が少なく、基礎控除を少し超える程度なら、自分でやる価値は十分あります。費用と手間と安心感のバランスで決めるのが現実的です。

相続税に関するよくある質問

最後に、検索でよく一緒に調べられる質問を、ここまでの内容からまとめておきます。

相続税に関するよくある質問

よくある質問

相続税とは何ですか?
亡くなった人から財産を取得した人にかかる税金です。相続だけでなく遺言による遺贈で受け取った人も対象になります。ただし全員にかかるわけではなく、財産から借金や葬式費用を引いた額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えたときに課税されます。実際の課税割合は令和5年で9.9%程度です。
相続税の費用はどれくらいですか?
相続税自体は財産額に応じて10%から55%の累進課税で計算します。これとは別に、税理士に依頼する場合の報酬がかかり、目安は遺産総額の0.5〜1%程度が一つの相場感です。戸籍収集や不動産調査などはオプションになる場合があるため、見積りの範囲を最初に確認してください。
相続税の手続きはどう始めればよいですか?
まず財産と借金を洗い出し、基礎控除額を超えるかを確認します。超えそうなら、戸籍や残高証明などの書類を集め、財産を評価し、遺産分割を決めて申告書を作成します。申告・納付の期限は死亡を知った日の翌日から10か月以内、提出先は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署です。

相続税は「自分は関係ない」と思っている人ほど、土地や名義預金で基礎控除を超えていることがあります。まずは財産をざっと書き出し、3,000万円+600万円×人数の基礎控除を超えるかどうか、今日のうちに確認してみてください。

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